The King's Museum

ソフトウェアエンジニアのブログ。

『金持ち父さん貧乏父さん』を読んで

『金持ち父さん貧乏父さん』を読みました。9月の読書。

有名な本ですね。 2000 年に初版が発売された時、実家にあったので名前は知ってたけど読んでなかった。 その後もちらほら名前は見聞きするので読んでみるかなーと思って手に取った。

読んだ感想として、特に強く印象に残るものはないなって感じ。 書かれている内容はあまり practical じゃなくて、お金持ちになるためのメンタリティみたいなことが多い。 かといってそこまで強くメンタリティを押すわけでもなく、とりとめなく筆者の成功体験を書いているという感じ。 こうやってふんわり成功体験を書いておくと、いろんな解釈ができて都合よく使えそうだなと思った。 実際、あやしいセミナーの勧誘に使われてるようで Google でこの本を検索すると「やばい」がサジェストされるというw

これでもかというくらい「お金」という単語が出てきて、筆者のお金への執着心はすごいんだろうなと思った。 「欲しいものがあるなら執着を捨てろ」というよくある自己啓発のアドバイスもでてくるけど、結局それも欲しいからこそやってるわけで、深いところでのお金への執着はすごいんだろうなと。 あと、貧乏父さんである実の父(という設定)への dis が本当にすごくて、いろいろとコンプレックスを持っているのかなぁと邪推してしまった。

--

いくつか自己啓発的なところで「なるほどな~」と思ったり、資産にキャッシュフローを流すのは確かになーと思うけど、筆者とは根本的にそりがあわない感じだった。 自分のヒーローを持てっていうのはいいんだけど、筆者にとってのそれがドナルド・トランプだったりするのも「お、おう・・・」ってなった。 投資に関していえば自分的には『投資の大原則』のほうがよっぽど役に立つと感じたし、そっちの方が考え方の根本的なところで自分と合うなと思った。もう一度読みかえそうかな。

そういえば、金持ち父さんの最後のほうに、

私が株式売買の仲介を頼んでいるブローカーはよく私に、新製品の発表など、株価が上がりそうな動きがあると言って、かなりの額のお金を一つの会社の株の購入にあてるように勧める。 そんなとき、私は言われたように投資して、株が上がるまで一週間から一ヶ月のあいだ待つ。

とか書いてあって、これって完全にインサイダー取引じゃないの?と思った(本人は違法なインサイダー取引はおすすめしないと書いてたけど)。

物は試しにということで読んでみるのもいいけど、基本的にはあんまりおすすめはしないかな。 同じ話が延々と繰り返されるので内容の密度はけっこう薄い。 自己啓発の意味ではもっといい本がある気がするし、不動産に関しては Soft Skills の最後のほうに書かれてたことのほうがよっぽど practical のような気がしたな。

(c) The King's Museum