The King's Museum

ソフトウェアエンジニアのブログ。

『More Effective Agile』を読んで

『More Effective Agile』を読みました。10 月の読書。

『More Effective Agile』 は『CODE COMPLETE』で有名なスティーブ・マコネル氏の著書。 ソフトウェア開発のトレーニングやコンサルティングを行う会社を経営しているマコネル氏の豊富な経験を基にした、モダンなアジャイルについて書かれた本。

アジャイルマニフェストが世に出て約 20 年。 その間、業界には様々な経験が蓄積され、効果のあるプラクティスとそうではないものが分かるようになってきた。 この本はその違いに焦点があてられていて、その名のとおり「より効果を出すためのアジャイル(More Effective Agile)」のプラクティスを紹介している。

「アジャイル」は、多くのプラクティス・原則・ルールの総称となっている。 代表的なプラクティスの一つである「スクラム」から始まり、自分の知らないプラクティスもたくさん紹介されていた。 最近のアジャイルを俯瞰的に眺めるにはもってこいの一冊だと思う。 著者の長年の経験をふまえた説明もとても納得感があってよい。

ちなみに、代表的なうまくいかないプラクティスの一つとして「スクラムバット」が紹介されている。 「スクラム」はすでに最小セットのプラクティスであり、省いてもよいプラクティスは存在しない。 スクラムのプラクティスを省いてしまうことでプロジェクトに内在している問題が見えにくくなり、結果としてうまくいっていない状態をスクラムバットと呼ぶ。

スクラムバットの名前の由来は、このような状況でよく挙げられる台詞から来ている。

A ScrumBut has a particular syntax: (ScrumBut)(Reason)(Workaround)

ScrumBut Examples:

"(We use Scrum, but) (having a Daily Scrum every day is too much overhead,) (so we only have one per week.)"

...

「スクラムはやってるよ。でも、〇〇だから、××はやってないんだ。」ってやつ。よく聞くセリフだ。

スクラムバットは特に陥りがちな状態だと思うけど、それ以外にも気をつけなきゃいけないなーと思うことが多くて身になる一冊だった。

(c) The King's Museum