4月の本は『カードミステリー』。珍しく小説を読んだ。

- 作者:ヨースタイン ゴルデル,Jostein Gaarder
- 発売日: 1996/03/01
- メディア: 単行本
この本は小学生の時に読んだことがある本。 いつかまた読み直したいと思っていたけどずっと本棚で眠っていた。 まぁ、だいぶ前に自炊して PDF にしたから本棚で眠ってたというのは比喩なのだけど。
パパと息子が二人で旅をしながら、家出したママを探しにギリシャのアテネに向かう。 その途中、小さな村で息子は不思議な小さな本(豆本)を受け取る。 豆本にはトランプのカードが人物化した不思議な島の物語が書かれている。 そして、息子はその物語と自分の不思議な関係性に気づいてく。
著者は『ソフィーの世界』を書いたヨースタイン・ゴルデル。 ヨースタイン・ゴルデルは哲学の教師だったこともあって、この本でもよく哲学的な問いが投げかけられる。 パパと息子が旅をしながら哲学の話をするというのは『禅とオートバイ修理技術』の影響を受けているのかな。
思い出の本を読み直すのはとてもノスタルジーな感覚だった(エモい?)。 パパが話す哲学談義や豆本の中の不思議な島の話、人物化したトランプ達やママとの再会、そしてジョーカー。 読み進めていくと忘れていた記憶がすっと蘇ってきたりしてちょっと感動したり。
ただ、パパの小難しい話は今の自分にはあまり響かなくなってしまっていた。 当時はパパの哲学の話にとても影響を受けたんだけど。
子どものうちは、自分のまわりをゆっくり見る能力があった。 けれど、やがて世の中に慣れてしまう。 成長するということは、感覚の経験に酔っ払ってしまうことなのかもしれない。
まさにこのとおり。 もう成長してしまって感覚の経験に酔っ払ってしまったんだろう。 小学生の頃はずいぶんと読むのに時間がかかった気もしたけど、今回はあっという間に読み終わった。 そういう意味でも大人になったんだなぁと感慨にふけった。
そういえば、この本にはトランプの「ジョーカー」が出てくるが、それに影響されて JOKER というハンドルネームを使っていた黒歴史が…。