The King's Museum

ソフトウェアエンジニアのブログ。

3級FP技能検定を受けたよ

1月23日に3級FP技能検定を受けました。

自己採点結果は、

  • 学科試験:55/60(91.6%)
  • 実技試験:19/20(95%)

でした。6割程度の得点で合格するようなのでおそらくは合格だと思います。

目標は9割得点だったのでギリギリ達成。 『国民年金の付加保険で繰り上げ・繰り下げ受給の増減率が適用されるか』みたいな初見の問題がちらほらあって落としてしまった。 欲を言えば学科の方はもう少し取りたかったけど、勉強した範囲のところはほぼノーミスだったのでよしとしよう。

自分はこの本で勉強しました。 Kindle に対応してる教科書があまり無くて選択肢が少なかったけど、この本は内容が絞ってあってちょうどよかった。 テキスト1周やってあとは問題集3周くらいしたかな。

FP3級 過去問道場🥋 (学科)【完全解説付】|FP3級ドットコム

あと、このサイトにめちゃくちゃお世話になりました。 会員登録(無料)すれば過去の正答率とかも見れてめちゃくちゃ高機能。 過去問も解説で網羅されてる充実っぷり。 これはお金取ってもいいのでは?と思えるレベルでおすすめです。

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このままちゃんと勉強していけば5月試験で2級も受かると思うけど(正答率6割で受かるみたいだし)、一旦 FP の勉強はこれでおしまい。 3級だとほんとに概要を知るだけだけど、単に生活に役立つ知識をつけるだけなら3級をちゃんと勉強すれば十分という感じ。 各種年金の支給要件とか、保険の種類とか、相続とか知らなかったから勉強になった。 自分に関わることは部分的には知ってても網羅的に知る機会はなかなかないからね。

次は証券アナリスト基礎講座をやろうかな。 基礎講座なので簡単そうだけど、基本的な金融商品の知識を得るにちょうどよさそう。 公式サイトで「目安の勉強時間は30時間程度」と書いてあるので3月末までに取得が目標かな。

3級FP技能検定を受けるよ

明けましておめでとうございます。

唐突ですが二週間後に 3 級 FP 技能検定を受ける予定です。 網羅的に生活に必要なファイナンスの知識を身に付けたいなと思って申し込んだ。 もともと人よりはそこらへんの知識はあるほうだとは思うけど。

あとは単に、久しぶりに試験に向けて勉強したくなった。 意識的にこういうことで頭を使っていくようにしないと衰えていく一方だ。 特に記憶力がどんどん落ちている気がする。あらがっていきたい。

問題集などをやってみた感じ受かるだけならかなり簡単そう(合格率8割超えるみたいだし)。 なので、9割得点を目指してがんばります。 そのためというわけではないけど勉強のために iPad Air を買って、それで勉強するのが楽しくていい感じ。

受かったら次は証券アナリスト基礎講座やろうかな(Twitter で誰かがおすすめしてた)。

証券アナリスト基礎講座|日本証券アナリスト協会

そのあとは今までちゃんと経済学を学んだことがなかったので、初学者向けの経済学の教科書を一冊やろうかな。 今年はそこらへんの分野の勉強を主にやってみる年にしたいと思います。

『Team Geek』を読んで

『Team Geek』を読みました。11月の読書。

ちょっと昔に出た本でそれなりに有名な本。 一度、ざっと読んだことはあったけど改めて読み直してみた。

ソフトウェア開発におけるチーミングに関していろいろなことが書いてある。 けど、一番大事なことはチームで働くときに常に次のポイントを押さえておく、というところだろう。

謙虚(Humility)

世界の中心は君ではない。君は全知全能ではないし、絶対に正しいわけでもない。常に自分を改善していこう。

尊敬(Respect)

一緒に働く人のことを心から思いやろう。相手を1人の人間として扱い、その能力や功績を高く評価しよう。

信頼(Trust)

自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じよう。そうすれば仕事を任せることができる。

頭文字を取って HRT。

自分はなんとなく HRT を大事にしてたつもりだけど、改めて意識しながら日々の仕事をしていこうと思った。

『読書について』を読んで

ショーペンハウアーの『読書について』を読みました。 10月の読書。

ショーペンハウアーの読書に対する考え方が述べられた本。

いかに大量にかき集めても、自分の頭で考えずに鵜吞みにした知識より、量はずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識のほうが、はるかに価値がある。

たくさんの本を多読するのではなく、良書を少しだけ読めと言う。 そもそも、読書自体が自分の頭で考えるのではなく他人の心をなぞるだけでほぼ無価値だ、とまで主張する。

自分はたくさん本を読む方じゃないから、ショーペンハウアーみたいな著名な哲学者がこういうことを言っていると少し勇気づけられたけど、どれくらい信憑性のある話なのかなぁと思った。 こういう歴史的に著名な人の主張って、現代の考え方に照らし合わせるとほとんど根拠が示されてないんだよなー、と思ったり。

根拠の提示された主張だけが価値があるというわけでもないのだろうけど、現代のエビデンス主義に浸かってしまった自分としてはこういう歴史的な思想書を読むとついついそこが気になってしまった。

『金持ち父さん貧乏父さん』を読んで

『金持ち父さん貧乏父さん』を読みました。9月の読書。

有名な本ですね。 2000 年に初版が発売された時、実家にあったので名前は知ってたけど読んでなかった。 その後もちらほら名前は見聞きするので読んでみるかなーと思って手に取った。

読んだ感想として、特に強く印象に残るものはないなって感じ。 書かれている内容はあまり practical じゃなくて、お金持ちになるためのメンタリティみたいなことが多い。 かといってそこまで強くメンタリティを押すわけでもなく、とりとめなく筆者の成功体験を書いているという感じ。 こうやってふんわり成功体験を書いておくと、いろんな解釈ができて都合よく使えそうだなと思った。 実際、あやしいセミナーの勧誘に使われてるようで Google でこの本を検索すると「やばい」がサジェストされるというw

これでもかというくらい「お金」という単語が出てきて、筆者のお金への執着心はすごいんだろうなと思った。 「欲しいものがあるなら執着を捨てろ」というよくある自己啓発のアドバイスもでてくるけど、結局それも欲しいからこそやってるわけで、深いところでのお金への執着はすごいんだろうなと。 あと、貧乏父さんである実の父(という設定)への dis が本当にすごくて、いろいろとコンプレックスを持っているのかなぁと邪推してしまった。

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いくつか自己啓発的なところで「なるほどな~」と思ったり、資産にキャッシュフローを流すのは確かになーと思うけど、筆者とは根本的にそりがあわない感じだった。 自分のヒーローを持てっていうのはいいんだけど、筆者にとってのそれがドナルド・トランプだったりするのも「お、おう・・・」ってなった。 投資に関していえば自分的には『投資の大原則』のほうがよっぽど役に立つと感じたし、そっちの方が考え方の根本的なところで自分と合うなと思った。もう一度読みかえそうかな。

そういえば、金持ち父さんの最後のほうに、

私が株式売買の仲介を頼んでいるブローカーはよく私に、新製品の発表など、株価が上がりそうな動きがあると言って、かなりの額のお金を一つの会社の株の購入にあてるように勧める。 そんなとき、私は言われたように投資して、株が上がるまで一週間から一ヶ月のあいだ待つ。

とか書いてあって、これって完全にインサイダー取引じゃないの?と思った(本人は違法なインサイダー取引はおすすめしないと書いてたけど)。

物は試しにということで読んでみるのもいいけど、基本的にはあんまりおすすめはしないかな。 同じ話が延々と繰り返されるので内容の密度はけっこう薄い。 自己啓発の意味ではもっといい本がある気がするし、不動産に関しては Soft Skills の最後のほうに書かれてたことのほうがよっぽど practical のような気がしたな。

『メリトクラシー』を読んで

『メリトクラシー』を読みました。8月の読書。

メリトクラシー

メリトクラシー

  • 講談社エディトリアル
Amazon

1958 年にイギリスのマイケル・ヤングという社会学者によって書かれた本。 『メリトクラシー(meritocracy)』という言葉を生み出し、その概念を説明したメリトクラシーの原典ともいえる歴史的な著作。

先月読んだサンデル教授の『実力も運のうち? 能力主義は正義か』で何度も引用されていて読みたいなーと思っていた。 原著は 1958 年に出版され、日本では 1965 年に『メリトクラシーの法則』というタイトルで至誠堂から出版。その後、1982 年に『メリトクラシー』として再度出版されて以降は絶版となっていたようだ。 「どこかの図書館で借りられるかな~」と半ば諦めかけていたのだが、タイミング良く今年7月に講談社エディトリアルから復刊。あいにく Kindle 版がなかったので、紙の本を amazon で購入して読んだ。

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内容はもちろんメリトクラシーについて書いているのだが、「2034 年にメリトクラシーとその歴史を振り返る本」という設定になっている。 要するに、1958 年に 2034 年を想像して、そこにたどり着く一連の歴史を想像して書く、ということをやっている。 そのため、どの部分が史実でどの部分がフィクションなのかを常に考えながら読まないといけない。 それに、イギリスの教育制度や労働運動などの話題が多く出てきて、前提知識がぜんぜん足らないので読むのが結構辛かった。

一応読み切ったが、内容として理解できたのは4割くらいなんじゃないかなという感じ。 正直、翻訳があまりよくないんじゃないかなーと思っていて、amazon のレビューにも同じようなことを書いている人がいた。 ただ、ひさしぶりにこういう内容の固い本を読んだから、自分の文章読解力が低いだけという可能性も十分あるのだけど。

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サンデル教授の本で描かれた現代社会の分断を 60 年も前に描いている点にはかなり驚かされた。 サンデル教授の本のネタの 6-7 割はこの本からきてるといっても過言ではない。 メリトクラシーによって世襲主義をやめ、公平な能力主義に変えたのに、結局、能力の世襲主義に行きついてしまうという指摘はとても鋭い。

ただ、上にも書いたけどいかんせん読みにくすぎるので、サンデル教授の本だけ読んでおけば十分だったかな、と思った。 強いて挙げるならば、古典のすこし固い本を読んだという満足感は多少なりとも得られたかもしれない。

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を読んで

マイケル・サンデル教授の『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を読みました。 6月に読み終える予定だったけど、プライベートでいろいろあって読み終わったのは 7 月だった。

この本では『ハーバード白熱教室』で有名なサンデル教授が能力主義が是とされる現代社会で起きるさまざまな事象について論じている。

「すべての人が同じ教育機会を得て、才能と努力の許すかぎり出世できる」。一見、平等に見えるこの主張が結果として不平等にたどり着いてしまう。また、能力主義は社会の分断を加速していく。 ここ数年のアメリカやヨーロッパで見られる不平等・社会の分断は、グローバリゼーションや人種間の問題ではなく、この能力主義-メリトクラシーと呼ぶ-に原因があるとサンデル教授は主張する。

能力主義の社会では成功したものにある感覚を抱かせる。それは「自分はそれに値する」という感覚だ。 すなわち、成功は自分の努力の結果であり、自分はそれに値する人間であるという思い込みだ。 さらに能力主義は社会で成功できなかった人間に「自分は成功に値しない人間だ」と思い込ませ、やり場のない屈辱と怒りを生み出す。この怒りがトランプ政権の誕生やブレグジットを導いたとサンデル教授は論じている。

功績(主に学歴)は本人の努力というよりはむしろ親の経済状況とかなりの相関が見られるという(特にアイビーリーグのようなトップレベルの大学の場合)。 そして、そもそも持っている特定の能力が社会から評価され求められること自体、運に左右されているはずだ。 自分は成功に値するとうぬぼれるのではなく、才能が認められる社会があるからこそ自分の成功があると思うことができれば、社会はよくなっていくのではないかとサンデル教授は締めくくる。

われわれはどれほど頑張ったにしても、自分だけの力で身を立て、生きているのではないこと、才能を認めてくれる社会に生まれたのは幸運のおかげで、自分の手柄ではないことを認めなくてはならない。 (中略) そのような謙虚さが、われわれを分断する冷酷な成功の倫理から引き返すきっかけとなる。

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ここ最近、社会に対して感じていたもやもやした感情がこの本を読むことで整理された。 なんか、ここ数日世間を騒がせてる事件もまさにメリトクラシー的思考からきてるんじゃないかなーと思ったり。

自分が若い頃はメリトクラシー的な考え方をしていたなーと昔を振り返った。 それに、この本で批判されているテクノクラート的発想に傾いていたような気がする。 その後、人生にいろいろあって今はけっこう考え方変わったなーと感じる。 サンデル教授がけっこう怒りを持って多方面を批判しているが、それに共感できる部分が多々ある。

気になったのがこの本の原題は "The Tyranny of Merit" で『能力の専制』なんだよね。 もちろん「実力も運のうち」的な話もあるんだけど全体としては能力主義(メリトクラシー)について論じているので「実力も運のうち」という題を最初にもってくるのはちょっとなーと思った(もちろん意図的に付けてるのだと思うけど)。

でも、そもそも "Merit" は「能力」というよりも「功績」の方が意味が近いらしくて(解説曰く)、「能力」を「功績」に読みかえてもらったほうがいいのかもしれない。確かに学歴とかの話が多いので「功績」って考えた方がサンデル教授の意図には合いそう。

メリトクラシーについてはさらに知りたくなってきたので今月(8月)の読書もそれ関連の本を読むつもり。

(c) The King's Museum